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Abuot DownWind Sailing


Question
今まで風に角度やセールを合わせるだけで走っていました(余裕がなくてそれだけでいっぱいいっぱいだっただけなんですけど)。ルールの範囲内でさらに効率よく船を進ませるために、波に合わせた体重移動(トルキング)や波に乗るためのパンピングを身につけたいと思っています。
波をうまく使うための前後の動きやパンピングの際のタイミング、その時に気をつけるべきことなどを、是非教えていただけないでしょうか?よろしくお願いします。

Answer
まず、船の特性をしっかりあたまに入れる事が大事だと思います。
たとえば、470の場合、スピネーカーがあり、パンピングにおいてもスピンが有効。スナイプに関して言えば、ランチャーで観音開きするものの、パンピングはメインセールのみ。
船の重さに関しては、特に考慮する必要は無いと思います。 スナイプの方が重いので、波に乗りにくいのは事実ですし、一度波に乗れば長続きさせる事は可能です。
しかし艇の違いの他にも 風速、アングル、波高によって常に変化しますので、船の違いだけで区別する必要はないと思います。
単純に、スピードを維持するには、どういうタイミングでUP、DOWNすればいいか ということでしょう。

先に説明したように、スナイプに関して言えば、メインセールでのパンピングに限られる為、パンピングによって得たパワーはウエザーヘルムと共に船に伝わります。
つまり、パンピング後に船は風上にバウを向けようとするはずです。
更に船が重く抵抗が多い為、前進力に比べヘルムの変化に繋がる割合が高い様に感じます。
色々なパンピングを試しましたが、スナイプにおいて効率が良いのは、バウアップのきっかけとして、パンピングをする事が効率的だと感じます。
そこで得た必要以上のウェザーヘルムを、船をフラットにキープすることによって前進力にかえるイメージです。(でなければそのままきりあがってしまいます)
つまり、最初の波に乗る為には、スピードが必要なので、
パンピングOR高めに走るなどして波に乗せます、そして乗った波に対して如何にスピードロスせず、次の波に乗せるかが鍵となるでしょう。
流れから説明すると、

①パンプorちょっとホットなアングルで最初の波に乗る為のスピードを作る。

②舵でバウダウンするのではなく、メイントリムとバランスで適正な角度までバウダウン。舵は抵抗ですから、直ぐにスピードロスです。

③乗った波に乗り切って止まってしまう前に、パンピングでバウをあげながら、今まで落としぎみに乗った波に、うまく上って乗せることを心がけます。上り気味で乗せる際に、高すぎてはロスが大きい為、メリット・デメリットのバランスを探りつつ。。。 スピードを意地できていれば、少しのUPで次の波に乗り続けることができるでしょう。


①から③の繰り返しだと思います。
時には、乗れない波を見抜くことも大切です。
乗ろうとして乗れなかったロスは非常に大きく、次の乗れる波にも乗れなくなってしまうことがあります。
ボトムスピードにリミットを設けることがひとつの基準になるでしょう。

ケースバイケースですが、パンピングはインパクトが大事だと思います。
大きくゆっくりより、小さくクィックにしたほうがバウアップにつながるでしょう。
パンピング後にセールを出す間は、前進力は生まれませんので、出す量が少なければロスも少なくなりますよね。
そのときに、パンプするために上半身が外に出がちですが、それでは船がアンヒールしてしまい、バウアップに繋がりません。出来るだけ船はフラットもしくはほんの少しヒールを維持。
ボートバランス、(アンヒール・ヒール)アップダウンにおいても、やりすぎはローリングにつながり、それを舵で抑えることで抵抗が多くなってしまいます。
自分の体をうまく使って、必要最小限に抑えることで、抵抗のないスムーズなゾーンを走り続ける事が出来ます。その範囲内で走っている限り、小さなメイントリムがバウの向きに影響しやすくなりますので、常にヘルムはニュートラルなんです。

最近、マストトップカメラをつけてセーリングした都合上、ウィンデックス(マストトップの風見)を外してセーリングしたのですが、ダウンウィンドにおいて、ウィンデックスの向きに頼らず、スピード感のみで走らせなくてはならなくなり、非常に良い感覚が掴めました。
波に対してのアングルを常に細かく細かく探りながら走りますので、結果的に感覚的にシフトに対しても敏感になったような気がします。

インターネットで色々なビデオを見ながら研究した結果、Finn級の金メダリスト Ben Ainslie の走らせ方から色々なアイディアを得ることも出来ました。
思い返せば、学生時代にはシドニーオリンピックに向けて同じ海面で練習するEurope級の佐藤麻衣子選手のダウンウィンドを見ながら、スナイプで真似して練習していました。

『470だから出来る、スナイプには出来ない』では無く、なぜこのクラスには有効で、なぜこのクラスには有効でないのか、どこを同修正すればアイディアを転用出来るかを、自分で試し、考える事が大事です。最初は何もせず真っ直ぐ走っている船の方が早くて当たり前だと思います。しかし、そこから自分なりの『感覚』を掴み、船と一体化することが出来れば、思い通りにコントロールできるようになるでしょう。

100パーセント質問の答えにはなっていないですが、最近私がトライしていた事に近かった為に、私なりの解釈でまとめて見ました。

先日のテストの際のビデオがありますので、どうにかUPできる様にしたいと思います。

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さっそくですがYouTubeに動画をUPしました。
スキーパーとクルーのバランスのとれた体の使い方に注目してください。
YouTube Snipe Downwind Sailing


Takumi
by sailworld | 2009-06-26 14:15 | Q and A
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